『サマータイム』

サマータイム
佐藤 多佳子 / 新潮社、2003年

勢いに乗って佐藤多佳子を読む。『サマータイム』はデビュー作で、同じ登場人物が登場する4つの短篇が文庫には載っている。軽く読めるが、やはり短篇なので、『黄色い目の魚』のようなエネルギーには欠けるかも。夾竹桃のピンクとか、登場人物のワンピースの色、ゼリーの色など、色が印象的な作品。「サマータイム」は前にも読んだことがある気がするな。単行本は1993年発刊。
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# by sheepish_grin | 2007-05-07 18:11 | 佐藤多佳子

『アボウト・ア・ボーイ』

アバウト・ア・ボーイ
ニック・ホーンビィ / 新潮社、2002年

図書館で見かけたので、久々にニック・ホーンビィを読んでみる。『ハイ・フィデリティ』と似ている感じだけど、『アバウト・ア・ボーイ』は主人公の30代男性ウィルがさらにだめっぷりを発揮している。もう一人の主人公、12歳のマーカスの成長っぷりは読んでいて楽しい。マーカスのママは、ベジタリアンで、オーガニック派で、マーカスに最近のロックやポップスは女性を卑下しているからとジョニ・ミッチェルを聞かせている。微妙に身につまされる感じ。

ウィルのお相手になる女性が大変素敵な感じなんだけれど、ウィルとつりあうかどうかは、彼の今後の成長にかかっているのかも。

原書は1998年発行。
About a Boy (Penguin Joint Venture Readers)
Nick Hornby / Penguin Books Ltd, 1998
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# by sheepish_grin | 2007-05-06 17:30 | Honrby, Nick

『夜のくもざる』

夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説
村上 春樹 / 新潮社、1998年

村上春樹のシュールな超短篇(2~3ページ)小説。シュールすぎてわけわからなくて面白い。鉛筆削りコレクターの渡辺昇、好きだなあ。さっくり読める1冊。安西水丸の絵もよい。
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# by sheepish_grin | 2007-05-06 17:16 | 村上春樹

『神様がくれた指』

神様がくれた指
佐藤 多佳子 / 新潮社、2000年

勢いに乗って佐藤多佳子の本を借りてみる。高校生ものがよかったのだけれど、予約がいっぱいだったので、とりあえず空いていたこの本で。佐藤さんによると、この本は「純エンターテイメント」として書いたとか。最初は、主人公がスリで、同居人が占い師で・・・という設定においていかれそうになったが、中盤から読ませるなあ。占い師の昼間薫さん最高。素敵だ。最終的にきちんと純エンターテイメントな作品。
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# by sheepish_grin | 2007-05-01 23:48 | 佐藤多佳子

『モノレールねこ』

モノレールねこ
加納 朋子 / 文藝春秋、2006年

図書館で書棚をチェックしていたら、加納朋子の新刊を発見。こうやってたまたま発見するのもうれしい。連作短編集が多い加納朋子だけれど、『モノレールねこ』は単発短編集。ほのぼのした話も多いけれど、「パズルの中の犬」「シンデレラのお城」など、日常生活に潜んでいる、人の心の陰りを描いている気がする。あと、「マイ・フーリッシュ・アンクル」のおじさんはいかんでしょう。こらこら。前の『コッペリア』を読んだ時も思ったのだけれど、優しくていい人がたくさん出てきた加納朋子の作品に、少しずつ人間の闇の部分も描かれてくるようになったのかも。残酷と美しさは紙一重、というか。よきにつけ、悪きにつけ。最後に収録されている「バルタン最後の日」は、読後感もよく楽しく読める。ザリガニのバルタン、かわいいし。
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# by sheepish_grin | 2007-04-30 22:52 | 加納朋子

『五十嵐文男の華麗なるフィギュアスケート』

五十嵐文男の華麗なるフィギュアスケート
白石 和己 / 新書館、1998年

フィギュア・スケートを見るのが好きだ。中学生~高校生くらい(長野五輪前後かな)で一番よく見ていた。当時は今みたいに地上波でチャンピオンシリーズなど放映していなくて、NHK BSで深夜に放送しているのをビデオにとって一人観ていたものだ。今思うと渋すぎる・・・。でもジャンプの種類の名前(ルッツとかサルコー)は分かるけれど、どう違うかは分からない。ちなみに当時好きだったのは、カナダのエルヴィス・ストイコ選手。スピンが上手でマッチョなスケーティングをする。

と、言うような記憶がこの本を読んでいるとフラッシュバックしてきて大変楽しかった。当時、フィギュアの解説と言えば五十嵐文男さんで、わたしは彼の冷静かつ的確で愛のこもった解説が好きだった。最近、フィギュア・スケートは国別対抗戦とかよく分からないものまで民放で放送されるようになったので、露出度は増えたが、五十嵐さんの解説が聞けなくなって寂しい・・・。本田武史くんもいいんだけどねぇ。本当にいいフィギュアのプログラムは、人の心を動かす作品なのだ、と五十嵐さんが語っていて、川原泉の『銀のロマンティック…わはは』のようで面白かった。
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# by sheepish_grin | 2007-04-30 01:20 | その他の作家

『意味がなければスイングはない』

意味がなければスイングはない
村上 春樹 / 文藝春秋、2005年

村上春樹による音楽エッセイ。彼のエッセイは、いつもは脱力系というか、ゆるい感じだが、これは結構真面目に書いてある。クラシック、ジャズ、ロック、ジャンルは色々だけれど、村上春樹が好きなミュージシャンと音楽のことを、とつとつと語っている。

この本で取り上げられているミュージシャンの中で、わたしが聞いたことがあるのは、ブライアン・ウィルソンぐらい。わたしは、ジャズやクラシックをほとんど聞かないし。でも、と言うか、だからこそ、人が何を考えて、何に注目しながら音楽を聴いているかを読むのは、とても面白かった。

ルドルフ・ゼンキンとアルトゥール・ルービンシュタインという二人のピアニストのそれぞれの伝記を読んで書いた6章目の最後に、村上春樹はこう書いている:
音楽として純粋に優れていればあとのことはどうでもよろしい、という人もいるかもしれないし、それはもちろん正論なのだが、僕には―小説家だからということもあるかもしれないけれど―音楽を媒介にして、その周辺にある人々の生き方や感情をより密接に知りたいという思いがあるし、こういう本を読んで音楽を聴くと、何かひとつ得をしたような愉しい気持ちになれるのだ。(p.159)

わたしも、自分の好きな音楽やミュージシャンに対しては、同じような思いを抱くから、知らないジャンルの音楽やミュージシャンについて、色々こういううんちくを読むのは楽しい。今度、この本で取り上げられていたブルース・スプリングスティーンも聞いてみようか、と言う気にもなると言うものだ。
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# by sheepish_grin | 2007-02-03 18:13 | 村上春樹

"'Q' is for Quarry"

Q Is for Quarry
Sue Grafton / Berkley Pub Group (Mm), 2003

キンジーのアルファベット・シリーズ、Qまで読み進めた。ハードカバーは2002年発売。今回は「採掘場」のQ。18年前に採掘場で死体で見つかった身元不明の少女の事件を、心臓発作を起こして休職中のドラン警部と、ドラン警部のお友達の退職した刑事と一緒に捜査する。

英語で「ななしのごんべい」の女性版はJane Doe。作者あとがきによると、実際の事件を基にして書いたそうだ。

日本語訳は『獲物のQ』。
獲物のQ
スー・グラフトン / / 早川書房、2003年
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# by sheepish_grin | 2007-02-02 14:19 | Grafton, Sue

『隣のアボリジニ』

隣のアボリジニ―小さな町に暮らす先住民
上橋 菜穂子 / 筑摩書房、2000年

「守り人」シリーズで知られる上橋菜穂子さんは、文化人類学者で大学で教えてもいる。作家専業も考えたけれど、作家としての「牙」をみがくためにも、文化人類学者であることを選んだ、と前に読んだことがある。これは文化人類学者としての著作で、オーストリアの都市部に住むアボリジニの人々の様子を、上橋さんならではの注意深く、そして謙虚な視点で描いている。

ファンタジーの世界観につながるようなところもあって、面白い。「伝統を守り気高く生きていくアボリジニ」も、「飲んだくれてドラッグにおぼれ、生活保護に頼って生きていくアボリジニ」。どちらもステレオタイプであり、かつ、一人の人間の中にも同時に存在しうる。世の中ってやっぱり複雑で、一筋縄ではいかない。
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# by sheepish_grin | 2006-12-25 23:42 | 上橋菜穂子

『女房が宇宙を飛んだ』

女房が宇宙を飛んだ
向井 万起男 / 講談社、1998年

先日読んだ『君についていこう』の続編。さくさく読めるので、通勤の時にちょうどいい・・・と思っていたら、借りてきた日曜日に、ごろごろしながら全部読んでしまった。やれやれ。

今回は、向井千秋さんの最初の宇宙飛行の2週間を追ったもの。マキオちゃんの宇宙飛行士マニアっぷりと、チアキちゃんが宇宙飛行で一番感動したことの意外性が楽しい。離れて暮らすことがほとんどの二人だから大変だろうけれど、いいカップルだなあ。向井千秋さんが書く体験談も読んでみたいのだけれど、無理かしらん。
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# by sheepish_grin | 2006-11-13 01:11 | その他の作家